
©Parada Film in co-production with Hai-Hui Entertainment All rights reserved.
さて、「私の、息子」は、おそらく大部分の人にとって
「普段見ている映画となにか違う」そんな違和感があると思う。
まるでドキュメンタリー作品を見ているようなのだ。
自分が透明人間になって、その場で起こることを眺めているような、そんな感覚。
ストーリーはタイトル通り、母の「息子に対する思い」が描かれる。
この母(主人公)は、身ぎれいにし文化的な生活をし、
老いても人生を謳歌しているように見えるリッチなご婦人だ。
しかし人の話を聞かず、自分が愛情を持っていいと思ったことは
子どものためになると信じこんでいる。
お金と愛情で子どもの道を先回りし、支配することが
子どもを生きにくくさせることに、まったく気づいていない。
見ているこっちは、主人公の傲慢さにあきれるけれど、ちょっと待って。
こういう人って私のまわりにもいるのでは。
いや、自分だってこういう風に子どもに、夫に、接していないだろうか。

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遠く離れたルーマニアの映画なのに、自分の襟を正されるような
お話なのだった。