阪神・淡路大震災から23年、“しあわせ運べるように”を初めて歌う。


今年で23年目を迎える阪神・淡路大震災。たくさんの月日を重ねても、私の新年が始まるのは1月17日。この日を迎えてようやく一年が始まる。神戸市長田区内で追悼行事が行われる中、ある小学校の授業で実施された震災学習の模様をご紹介したいと思う。

子ども達へ語るのは、当時2年生の学級担任だった男性の先生。震災発生時、避難所となった小学校は避難された人々であふれ、多い時には1200人以上を超えたそう。こんなときこそ子ども達同士を合わせたいと学校長の声で学校再開を目指すが、子ども達の居場所がつかめない。そんな中悲しい死の現実に直面することも…。子どもだけが亡くなったと両親からの言葉、両親に囲まれ川の字で寝ていたまま恐らく亡くなったのだろうと消防士の方より伝えられた死の知らせ。

JR新長田駅前では雨の中追悼行事の準備が始まる



衝撃的な言葉の数々に涙を浮かべる子ども達、だけどこれが現実。自然災害は美談だけではないのだから…。翌年春の卒業式では、ボランティアの方々の協力で温かな式が贈られたそう。

震災体験を聞いた後は、全校生徒で復興への願いを込めた「しあわせ運べるように」を合唱。子どもが歌う言葉はやはり胸に突き刺さり、押し殺していた気持ちが一瞬で溢れるように涙が止まらなかった。

美しくなったJR新長田駅周辺


続いて大正筋商店街



23年経っても先生方は、自ら震災の傷を負いながらも子ども達へ伝える使命感を心の支えに、今日も子ども達の前に立っている。本当に頭が下がる想いだ。

子ども達の後を追い「しあわせ運べるように」を初めて歌えたことは、忘れない記憶となるだろう。背中を押してくれた先生方や子ども達へ改めて“ありがとう”と感謝の気持ちを送りたい。





この記事を書いた人:

ななとも
神戸で生まれ育ち、現在も神戸在住。震災を経験後、さらに神戸の温かさを再認識。実際に体験した美味しいスイーツやグルメ情報、神戸のおすすめスポットなど、人との繋がりから生まれる何かをココからお届けできればと思っています。どうぞお付き合いくださいませ。
http://news.archive.citylife-new.com/blog/60813.html