神戸の消防士が伝えたい防災絵本『地震がおきたら』読み聞かせイベント@神戸ルミナリエ 東遊園地


阪神・淡路大震災犠牲者の鎮魂の意を込め復興再生へと希望を託す「神戸ルミナリエ」。

12月17日 静かに消灯式を迎えた



12月15日、東遊園地内神戸市ブースでは、防災絵本『地震がおきたら』の読み聞かせイベントが開催された。読み手である増田 晶子さんの柔らかな声に、子ども連れの家族が次々と物語に引き込まれていた。

読み聞かせをする増田さん(右手)・谷さん(左手)



企画原案を手掛けたのは、神戸市垂水消防署の谷 敏行さん。
神戸市消防局に入庁後、市民へ震災時の防災情報をわかりやすく伝えるにはどうすればいいかと考えていたそう。震災弱者となる子ども達に理解できるようにすれば大人にも伝わるのでは…と思い、3年前防災絵本の企画を立ち上げた。その後、谷さんの熱意を感じたBL出版株式会社の協力のもと今年10月に出版。初版3,500部はほぼ完売状態となり、第2版の発行も決定している。

地震時の対処法や備えておきたい備品情報も掲載



「物語で絶対に削らないでほしいとお願いしたのは、火災が起きているシーンです。震災時、消防隊員は人を助けるのではなく火を消すのが仕事なのです。」と谷さん。絵本を見た瞬間思わず涙が…。それもそのはず、このシーンは目の前で見続けた長田区だった。

消防局の仕事は火を消すことだと



リアルに描きすぎると子どもに恐怖感を与えてしまうので、何度も試行錯誤を繰り返したとか。「イラストを描かれた作家さんも須磨区在住で、火事のシーンは描くことがとても辛かったそうです。」とBL出版の内田さん。

震災で起こった厳しい現実も防災絵本でぜひ感じていただきたい。自分の身は自分で守ることを考えながら、2018年1月17日を迎えたいと思う。

BL出版株式会社
<びーえるしゅっぱんかぶしきがいしゃ>
神戸市兵庫区出在家町2-2-20
TEL:078-681-3111
HP:http://www.blg.co.jp/blp/n_index.jsp
原案:谷 敏行
文:畑中 弘子
絵:かなざわまゆこ
企画・協力:神戸市消防局
定価:本体1,200円+税

この記事を書いた人:

ななとも
神戸で生まれ育ち、現在も神戸在住。震災を経験後、さらに神戸の温かさを再認識。実際に体験した美味しいスイーツやグルメ情報、神戸のおすすめスポットなど、人との繋がりから生まれる何かをココからお届けできればと思っています。どうぞお付き合いくださいませ。
http://news.archive.citylife-new.com/education/parenting/60034.html