
どのことばも見つからない。心の底から”こみ上げてくる展覧会”だ。日本のアニメを世界から注目される芸術作品の地位に上げたスタジオジブリ。その30年の軌跡を披露。(上記の画像は「風の谷のナウシカ」 © 1984 Studio Ghibli・H)
入口からマスター(?)トトロがお迎え。(どんぐりの実も永い間あなたのお越しを待っている)

スタジオジブリへようこそ © Studio Ghibli
平日ながら大勢の人が詰めかけ、主に20代後半から30代の人たちが来場。幼い頃自分が観た画像に対面したのだろうか。感嘆な声がちらほら。
ぜひこちらのラフ画、原画をみてほしい。映像になったものとは違い、作り手の熱い思いが直に伝わってくる。いくつもの手書きの線が訴えかける。天才宮崎駿氏だけではなく、多くのスタッフの心血を注いだ作品であることがわかる。そして他に追随を許さない目力。とくにもののけ姫の狼モロの目にはこちら側の心の琴線を動かす凄みがある。

© Studio Ghibli

© Studio Ghibli
高畑勲氏と宮崎駿氏との出会い。そして、その名を広める名プロデューサー鈴木氏との引き寄せが運命的であることがわかる。構想を思いつき、天才的な感で具体化していく両氏。妥協を許さない作品づくりで経費がかさむ一方、一日ごとに新聞の折り込みチラシ文句を変える、ときには敢えて宣伝活動を行わないことなど革新的な宣伝方法。そこからジブリは”ものづくり”と”利益”の事柄が両立した数少ない例とわかる。それらの当時のチラシや営業スケジュールも展示。遊び心のある駿氏直筆の社内旅行のしおりにも思わず笑みがでる。

プロデューサーの部屋 © Studio Ghibli
今でも小さい子は「トトロ~ポニョ~」と駆け寄ってくる。(大人気のネコバス、混雑状況によりネコバスの乗っての写真撮影不可の場合もあり)

ネコバス © Studio Ghibli

ジブリの倉庫 © Studio Ghibli
「ジブリの空とぶ機械達展」のコーナーにいくと精密な飛行機の図、なぜ飛行機が空を飛ぶのかわかりやすく紹介。ジワリと涙腺が緩んでくる。

飛行船 © Studio Ghibli
2014年公開の「風立ちぬ」は人格者でありながら、時代に翻弄された零戦飛行機の設計者の人生を描いた珠玉作品。この作品の発表後、一時引退宣言された駿氏の気持ちがわかる気がした。スタジオジブリの根底に流れるのは自然の畏敬とロマンだ。生粋のロマンチストに出会える。

- 兵庫県立美術館 ギャラリー棟
- <ヒョウゴケンリツビジュツカン ギャラリートウ>
- 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目1番1号
- HP:http://www.ytv.co.jp/ghibli-expo/
開館時間 | 開館時間:午前10時~午後6時 ※(金・土曜日は午後8時まで)6/1(金)6/2(土)6/8(金)6/9(土)は午後6時まで 入場は閉館30分前まで 観覧料金 当日団体割引あり(20名以上) 一 般 :1,600円(1,400円) 高校生 大学生 :1,200円 (1,000円) 小中学生:700円(500円) |
---|---|
定休日 | 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) |
アクセス | 阪神電鉄「岩屋」 (兵庫県立美術館前)徒歩8分 JR「灘」 徒歩10分 阪急電鉄「王子公園」 徒歩20分 |
駐車場 | 有(80台) |