
傑作といわれても画家の名を知らずにわかる作品は少ない。しかしこの人の絵は違う。僅かな数種類の色合いで、誰でも心に残る風景画描き出す。
東山魁夷ー明治41年(1908年)横浜に生まれ、東京美術学校を卒業し、ドイツ留学。
その後家業の破たん、家を焼失、太平洋戦争に従軍、両親、弟の相次ぐ亡くすなどの試練に遭う。
その苦難の中、身近な自然と自分を真摯に向き合い、正に心象風景が一致した場面をそのまま筆をとることに活路を見出す。

《残照》1947年、東山魁夷、東京国立近代美術館蔵

《花明り》1968年、東山魁夷、株式会社大和証券グループ本社蔵

《道》1950年、東山魁夷、東京国立近代美術館蔵
見応えがあるのが、構想から完成まで10年となった大作、奈良、唐招提寺の障壁画を再現した下記の作品。日本へ来る途中失明した鑑真和上の身になり、日本の美しい風景を抽出したものだ。

唐招提寺御影堂障壁画のうち、《濤声》(部分)1975年、東山魁夷、唐招提寺蔵

唐招提寺御影堂障壁画のうち、《山雲》(部分)1975年、東山魁夷、唐招提寺蔵
実家も再建し、経済的に安定したが、ここからが東山魁夷のすごいところ
「このままでは精神的に乏しくなる」と北欧のスケッチ旅行にでる。
具体的な計画はなしに訪れた北欧だが、フィヨルドや白夜など当時の彼の精神的状況にピッタリと当てはまった。

《冬華》1964年、東山魁夷、東京国立近代美術館蔵

《白い朝》1980年、東山魁夷、東京国立近代美術館蔵
絵の才能がないと絶筆も考えたが、70歳の時に「絵を描くことは祈りだ。上手いくか、そうでないかではない。描き続けることが大事なのだ」と再び筆をとる。
下記の晩年91歳の作品。

《夕星》1999年、東山魁夷、長野県信濃美術館 東山魁夷館蔵
作品を通して感じたのは終生変わらない東山魁夷の純粋さ。そこには気負った力強さではなく弱さも全てさらけ出しありのまま姿を描く、彼の勇気を感じられた。
永遠の少年の目を持った画家-ほんとうの「あお」にであえる展覧会だ。
開催日時 | 2018年 08月29日(水) ~ 2018年 10月08日(月) |
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参加費・入場料 | 入場料 当日 団体(20名以上) 一 般 1,500 1,300 大学生 1,100 900 高校生 600 400 ※ 中学生以下は無料。 ※ 心身に障がいのある方と付添者1名は無料 (入館の際に証明できるものをご提示下さい)。 ※ 本料金でコレクション展もご覧いただけます。 ※ チケット販売所: セブン-イレブン(セブンコード:064-562)、ローソン(Lコード:52148)、 ファミリーマート、サークルKサンクス、イープラス、CNプレイガイド、 チケットぴあ(Pコード:769-096)ほか (チケット購入時に手数料がかかる場合があります) |
HP | http://kaii2018.exhn.jp/ |
会場 | 京都国立近代美術館 |
お問合せ | (075)761-9900 |

- 京都国立近代美術館
- <キョウトコクリツキンダイビジュツカン>
- 京都市左京区岡崎円勝寺町
- HP:http://www.momak.go.jp/
開館時間 | 午前9時30分~午後5時 ただし金曜日、土曜日は午後9時まで開館 *入館は閉館の30分前まで |
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定休日 | 毎週月曜日、9月18日(火)、9月25日(火) ※ただし9月17日(月)、9月24日(月)、10月8日(月・祝)は開館 |
アクセス | JR~バスをご利用の方 ■JR・近鉄京都駅前(A1のりば)から 市バス5番 岩倉行 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ ■JR・近鉄京都駅前(D1のりば)から 市バス100番(急行)銀閣寺行 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ 阪急電鉄・京阪電鉄~バスをご利用の方 ■阪急烏丸駅・河原町駅、京阪三条駅から 市バス5番 岩倉行 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ ■阪急烏丸駅・河原町駅、京阪祇園四条駅から 市バス46番 平安神宮行 「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ 市バス他系統ご利用の方 「岡崎公園 ロームシアター京都・みやこめっせ前」下車徒歩5分 「東山二条・岡崎公園口」下車徒歩約10分 地下鉄ご利用の方 地下鉄東西線「東山」駅下車徒歩約10分 ※ご不明な点がございましたらテレホンサービス (075)761-9900 までお問合わせください。 |