
平成最後の正倉院展となった今年。そのせいか平日にもかかわらず長蛇の列。なぜこんなに多くの人が観たい気持ちになるのだろうか。しかも国際色豊かな客層。何がそこまでひきつけるのだろうか
正倉院宝庫は推測で、741年から759年までの間に建造。もと東大寺の正倉で、ネズミ返しで有名な校倉造り(あぜくらづくり)。3つの部屋に分かれ、それぞれ北倉、中倉、南倉と呼ばれる。今回は9000件を超える正倉院宝物の中から、北倉10件、中倉16件、南倉27件、聖語蔵(しょうごぞう)3件の56件が出陳。今年は10件ほどの初出陳が含まれる。原則として、一度公開されたものは10年以上出陳されることはない。だからこれまでで累計で5000件近くが出陳してきたが、毎年10件ほどが初出陳を見続けたしたとしても、宝物を一生見終えることはない。
見応えは平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)。花心の赤い部分には琥珀をはめ、黒い樹脂様の地にトルコ石の細片をちりばめる。ヤコウガイの螺鈿でつくる葉の模様に刻む繊細な線はくっきりと可憐に残る。
多くの人がその場を離れようとしなかったのは、沈香木画箱(じんこうもくがのはこ)。本体も見事だが私が注目したのはその床脚。象牙製で、葡萄唐草文の透かし彫り。時間をおいて角度をかえても端麗さと可愛らしさが見えてくる。
「13%か高いなー」の声。続々修正倉院古文書(ぞくぞくしゅうしょうそういんこもんじょ)第40帙第1巻、いわゆる写経生の借金の文書。
個人的に感動したのは、当時のグローバル化。当時の新羅、唐、東アジア諸国、ササン朝ペルシャの貿易、技術の交易。異国の戦乱によるサバイバーを受け入れる古人たちの懐の深さ、そして無私の精神で、最高級の技を受け継いだことだ。鹿とスマホにおさめようと外国人たち。この風景が永遠につづくことを願った。
※正倉院展では託児室の利用が可能。料金は無料。
・受け入れ幼児の年齢は満一歳から未就学児。
・一回に預けられる時間は二時間以内。
・9:30〜16:30(最終受付時間は14:30)
・託児希望の三日前に予約をしてください。
託児室を利用されたい方は、業務委託しております託児・保育所ドリームハウス(http://www.dreamhoiku.com/)に直接、ハガキ又はメール(dream.iiko@gmail.com)で予約。
お問い合わせは電話番号は0744-46-0034。
※ご予約なしで、授乳・おむつ替えにも利用可能。
開催日時 | 2018年 10月27日(土) ~ 2018年 11月12日(月) 午前9時~午後6時 ※金曜日、土曜日、日曜日、祝日(10月27日・28日、11月2日・3日・4日・9日・10日・11日)は午後8時まで ※入館は閉館の30分前まで |
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参加費・入場料 | 一般 1,100円 高校生 大学生 700円 小学生 中学生 400円 |
HP | https://www.narahaku.go.jp/exhibition/2018toku/shosoin/2018shosoin_index.html |
会場 | 奈良市登大路町50番地 ≫会場Webサイト |
アクセス | 近鉄奈良駅下車 登大路を東へ徒歩約15分 JR奈良駅または近鉄奈良駅から市内循環バス外回り「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ 関西国際空港からリムジンバスJR奈良駅行き「近鉄奈良駅」バス停下車 徒歩約15分 大阪国際空港からリムジンバス奈良/天理行き「近鉄奈良駅」バス停下車 徒歩約15分 |
お問合せ | TEL:ハローダイヤル 050-5542-8600 |