
■「若き日・青春」という名のベーカリー
吹田市山田に、この秋オープンから4周年を迎えたベーカリーがある。「ブーランジェリィ ル マタン ドゥ ラ ヴィ」。地元の人々に「ル マタンさん」と呼ばれ、親しまれている。店名はフランス語で「若き日・青春」という意味で、「初心を忘れずに」という思いが込められている。
オーナーシェフの井上貴裕さんはboulanger(パン職人)として2年間の渡仏経験がある。名付けからもわかるように、そこはまるでフランスのような空間だ。ドア、照明、古道具…どれをとっても重厚なのに気取った感じがしないのは、それらがさりげなくそこにあるから。流れるクラシックの音色が耳に心地いい。
ル マタンのパンは天然酵母から作られていて、特徴はしっとりとしていて柔らかい点にある。人気があるのは食パン、クロワッサン、そしてバゲット。シンプルなものだからこそパン本来の持ち味が引き立つ。お客さんの中には遠方から車で通うほどのファンもいる。「まずは一度、クロワッサンを召し上がっていただきたい」と井上さん。
■2つの顔をもつスペース
L字型の店内の奥を覗いてみると、そこにパンは並んでいない。当初から奥様の紀子さんと構想していたギャラリースペースがあり、いろいろなジャンルの作家の作品が展示される場所になっている。この日は草木染めのストール展が行われていた。パンを買いにきたついでにちょっと覗くだけでもいい、気軽に、身近に作品を感じられる空間だ。展示のない日はカフェスペースになっており、焼きたてのパンと一緒にコーヒーをいただくことができる。
■毎日を大切にしながら、前に進む。
厨房に立つ井上さんの顔つきは、まさに「職人」。毎朝午前3時過ぎに起き、4時にはお店に入る。朝が早い分、夜は早く家に帰れるのかと思いきや、午後10時まで厨房に立つことも珍しくないという。もしかしてお休みの日もパンの試作をしたり勉強をしたり…?「いいえ、お休みの日は家族と過ごしています」。オンとオフの切り替えをしっかりしているところも、井上さんらしい。「最近は6歳の息子の自転車の練習をしているんです」と幸せそうに語る笑顔が印象的だった。パン職人としての側面とは別の、父親としての側面が垣間見れた瞬間だった。
さて、そんな井上さんにとってのパンとは、ズバリ?
———「日々新しい発見があるもの。それに向かって前進する原動力」。
- Boulangerie le matin de la vie
- <ブーランジェリィ ル マタン ドゥ ラ ヴィ>
- 吹田市山田西3-57-16コモン山田ウエスト105
- TEL:06-6876-5547
- HP:http://boulanger-le-matin.com/
営業時間 | 10:00-19:00 (Cafe 10:30-17:00/L.O.16:30) |
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定休日 | 日・月 |
アクセス | 阪急山田駅徒歩約15分/阪急バス「佃」停徒歩約3分 |
駐車場 | 近隣Pをご利用ください |