しあわせが詰まっている。 【松竹堂】


■松竹堂といえばフルーツ餅、フルーツ餅といえば松竹堂
明治22年、吹田市山田の地に創業して125年。松竹堂は時代の変化とともに成長してきた老舗である。「創業当時は和菓子店ではなく配給をしていました。そのほかにも饅頭をはじめ、いろいろな食品を扱っていました」そう語るのは4代目、松本勝隆さん。松竹堂といえばフルーツ餅。メディアでも紹介されるほど有名だが、その誕生には意外な秘話があった。

取材中も客足が絶えない

取材中も客足が絶えない



■ライバルはショートケーキ!
和菓子といえば「大人の味」という印象が強い。実際、団子や饅頭よりケーキやシュークリームの方が魅力的だ!という子どもは多いだろう。松本家も例外ではなかった。
事件は28年前、松本さんの長男が5歳、次男が2歳のときに起こった。和菓子屋の息子が、和菓子ではなくケーキを選んだのだ。松本さんは「このままでは和菓子の未来がない!」という危機感を抱き、たちまちその気持ちは「ケーキと並んでいても和菓子を選んでくれる、そんな和菓子を作ろう!」という決意に変わったのである。

■フルーツ餅に想いを託す
そんな経緯があり、試行錯誤をかさねて生まれたフルーツ餅。その一つ一つにアイデアと想いと工夫が詰まっている。「いちご餅」のヒントになったのは「ママのおっぱい」。小さな我が子からアイデアを得たという。春、山田川に桜の花びらが散っていた風景は「キウイ餅」に、旅行で小浜島を訪れたときに見た星空の美しさは「マンゴー餅」に表現した。「子どもに食べてもらいたいという思いから始まり、子どもからヒントをもらう。いつでも『子どもが基本』なんです」と話す松本さん。ほとんどの商品に動物性油脂を使っていないので、子どもも安心して食べることができる(※)。

上から時計回りに、パイナップル餅、いちご餅(桃いちご)、みかん餅、西洋梨餅、メロン餅、いちご餅(あまおう)

上から時計回りに、パイナップル餅、いちご餅(桃いちご)、みかん餅、西洋梨餅、メロン餅、いちご餅(あまおう)



フルーツがお目見え!

フルーツがお目見え!



さて、そんな松本さんに聞きました。あなたにとってフルーツ餅とは、ズバリ?

松竹堂3
—————「しあわせの代名詞」。

「我が子のために作ったものがたくさんの人に受けいれられたこと。フルーツ餅を食べたお客さんが美味しいと言ってくれたこと。それはとてもしあわせなこと。これからも、食べたらしあわせになるお菓子を作り続けたい」松本さんの作品ともいえる和菓子作りはこれからも続く。

(※2014年2月1日現在、「おひなさま餅/おだいりさま餅」のみ小麦粉が使用されています)

松竹堂
<しょうちくどう>
大阪府吹田市山田東2-36-2
TEL:06-6877-1125
HP:http://fruitmoti-shoutikudou.jp/index.html
営業時間 10:00~19:00
定休日 水曜日
駐車場 4台有(店舗手前約50m左手)
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この記事を書いた人:

かどみき
北摂で生まれ育ち、北摂をこよなく愛する二児のママ。 日々のささやかなしあわせや、街で見つけた「心地よいもの」「楽しいもの」「新しいもの」「美味しいもの」をマイペースに発信していきます。
http://news.archive.citylife-new.com/gourmet/3547.html