クレオパトラ、エジプト王妃の美しさと強さをみた 国立国際美術館


12月27日まで国立国際美術館で開催された「クレオパトラとエジプト王妃展」
その展覧会に行ってきた。
上記の作品は《クレオパトラ》 プトレマイオス朝時代(前200~前30年頃)
メトロポリタン美術館蔵
ⓒ The Metropolitan Museum of Art, Dist. RMN-Grand Palais / image of the MMA

3000年続いたエジプト王室。その王たちを支え続けた王妃たちにスポットをあて
ボストン美術館やルーヴル美術館、大英博物館など名だたる世界各国の美術館
から取り寄せた180点のものを展示。

その中でも個人的に感銘をうけたものをいくつかご紹介。

王族出身でないにもかかわらず、絶対的権勢を誇ったアメンヘテブ3世の王妃ティイ。↓
ツタンカーメンの祖母でもある。(紀元前1388~1350年ごろ)
威厳の中にも穏やかな気品が漂う。特に瞳の力には職人たちの王妃の尊敬の念が感じられる。

【1】アメンヘテプ3世の王妃ティイのレリーフ

《アメンへテプ 3 世の王妃ティイのレリーフ》
新王国・第 18 王朝時代
アメンヘテプ 3 世治世(前 1388~前 1350 年頃)
ブリュッセル・ベルギー王立美術歴史博物館蔵 © RMAH



丸みをおびた顔の骨格や瞳の凹凸、
機械のない時代にこの精密さは神業。
(1903年ツタンカーメン王墓の発見で有名なハワードカーター氏が発見したが、
堆積のため断念。2008年早稲田大学の近藤二郎氏により再び発見)

歴史の残る美女アメンヘテブ4世の王妃ネフェルトイティ(紀元前1351~1334年ごろ)
生涯6人の王女を出産し、献身的に尽くした。
その目は遠く植民地となった故国を思ってだろうか?
(アメンヘテブ4世の宗教改革にも尽力、憂いを帯びた瞳)

【9】王妃の頭部

《王妃の頭部》 新王国・第18王朝時代
 アクエンアテン王治世(前1351~前1334年頃)
ベルリン・エジプト博物館蔵
Staatliche Museen zu Berlin – Ägyptisches Museum und Papyrussammlung, inv.-no. ÄM 21245, photo: Sandra Steiß



アメン神妻のスフィンクス
王室と神官たちとの関係が悪化。王女たちが神官団の見張りと権力
防ぐため「神妻」として神殿に送られる。生涯独身をとおす。
日本では巫女のようなもの。
(下半身はライオンで強さの象徴か?)

【5】アメン神妻のスフィンクス

《アメン神妻のスフィンクス》
第3中間期・第25王朝時代 
タハルカ王治世~末期王朝・第26王朝時代
 プサメティコス1世治世9年(前690~前656年頃)
ベルリン・エジプト博物館蔵 Staatliche Museen zu Berlin – Ägyptisches Museum und Papyrussammlung, inv.-no. ÄM 7972, photo: Jürgen Liepe



他にも西洋では魔物とされている蛇が神聖化されたり、
フンコロガシことスカラベが生まれ変わりの象徴だったり、
所変われば面白いものだなと感じた。(でも宝石は古今東西永久の輝きで魅了)

【7】ウジャトの眼の首飾

《ウジャト眼の首飾》 新王国・第 18 王朝時代
(前 1550~前 1292 年頃)
ウィーン美術史美術館蔵 Kunsthistorisches Museum Vienna



そしてこのお方、エジプト王朝最後の王妃クレオパトラ↓

【6】クレオパトラの死

《クレオパトラの死》 アッキーレ・グリセンティ筆 1878~1879 年
ブレシア市立美術館蔵
Archivio fotografico dei Civici Musei d’Arte e Storia di Brescia



数々の逸話が残るが、強く感じられたのは
彼女の願いが、はじめは3000年も続いたエジプト王朝を永続することだったが、
やがて侵略するローマとエジプトとの平和的解決に変わっていったこと。
彼女の一途な思いに胸が熱くなるものがあった。

【2】クレオパトラ トリノ古代博物館蔵

《クレオパトラ》 プトレマイオス朝時代(前 1 世紀中頃)
トリノ古代博物館蔵
ⓒ Archivio Soprintendenza per i Beni Archeologici del Piemonte
e del Museo Antichità Egizie



何かが滅びる時の瞬間が一番、美しいものが残る気がしてきた。

(「クレオパトラとエジプト王妃展」昨年12月27日にて終了)

国立国際美術館
<コクリツコクサイビジュツカン>
大阪府大阪市北区中之島4-2-55
TEL:06-6447-4680(代)
HP:http://www.nmao.go.jp/index.html
開館時間 10:00~17:00 (入場は16:30まで)
金曜日は10:00~19:00 (入場は18:30まで)
※展覧会によって開館時間を変更する場合があります
定休日 休館日 月曜日 (月曜日が祝日の場合は開館)
アクセス 京阪中之島線 渡辺橋駅(2番出口)より
南西へ徒歩約5分
淀屋橋駅(7番出口)より土佐堀川を越え
西へ徒歩約15分
地下鉄四つ橋線 肥後橋駅(3番出口)より
西へ徒歩約10分
御堂筋線 淀屋橋駅(7番出口)より土佐堀川を越え西へ徒歩約15分
JR大阪環状線 福島駅/東西線 新福島駅(2番出口)より南へ徒歩約10分
大阪駅より南西へ徒歩約20分
阪神福島駅より南へ徒歩約10分
阪急梅田駅より南西へ徒歩約20分
中之島ループバス「ふらら」
淀屋橋駅(4番出口)西へ100メートル「淀屋橋」(土佐堀通/住友ビル一号館前)より「市立科学館・国立国際美術館前」下車すぐ
市バス
JR大阪駅前より53号・75号系統で「田蓑橋」下車、南西へ徒歩約3分
駐車場
観覧料
コレクション展
一 般 : 430円 (220円)
大学生 : 130円 (70円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下ならびに18歳未満、65歳以上、心身に障害のある方とその付添者1名は無料(証明できるものをご提示願います)
※コレクション展以外の観覧料は、展覧会によって異なります
現在開催中の特別展・共催展の観覧料は公式HPで
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この記事を書いた人:

ニッキ
北摂に住んで10年 マラソンをはじめて6年目。 去年は淀川マラソン一昨年は大阪マラソン完走! 万博公園や箕面の滝まで走り体力自慢のアラフィフです!
http://news.archive.citylife-new.com/life/33287.html