5月8日まで マルモッタン・モネ美術館所蔵 京都市美術館


モネといえば印象派の代表的画家。「日の出」や「睡蓮」を思い浮かべる方が
多いのではないだろうか。
上記の作品は、クロード・モネ 《テュイルリー公園》 1876年 Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon

5月8日(日曜日)まで開催される「モネ展」は、
86歳まで生きたモネの作品を中心に約90点を展示。

10代後半、美術学校では、授業もろくに聞かず、カリカチュア(風刺画)ばかり描いたモネ。割と人気作家で多くの報酬をもらっていた。

《劇作家フランソワ・ニコライ、通称クレルヴィル》

クロード・モネ 《劇作家フランソワ・ニコライ、通称クレルヴィル》 
1858年 Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



しかし、教師シャルル・グレールよりその才能を見出され、色彩の上でより探求するよう教えられ、カリカチュアの報酬を全て、高級絵の具材に費やし、本格的画家の道を歩みだす。

最初の妻カミーユが出会ったころ。彼女は17歳。彼女を中央に大きく、他の人たち遠近法にしていく画が多かった。

《トゥル-ヴィルの海辺にて》

クロード・モネ 《トゥルーヴィルの海辺にて》 1870年
 Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



その後結婚し、長男ジャン、次男ミシェルが誕生。下記の絵はミシェルが3歳ぐらいの頃。ぼかしたところが多々あるのは、よく動きまわる子供の一瞬の愛らしさを読み取ろうする彼の苦肉の策がわかる。


《ポンポン付きの帽子をかぶったミシェル・モネの肖像》

クロード・モネ 《ポンポン付きの帽子をかぶったミシェル・モネの肖像》 1880年 
Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



しかし、妻カミーユは32歳にして次男を出産後しばらくしてこの世を去る。下記の作品は背後に煙突のある工場などモネにしては珍しい構図だ。

《雪の効果、日没》

クロード・モネ 《雪の効果、日没》 1875年
 Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



モネは同世代の作品も多く収集している。自宅の1階では、浮世絵。2階では同世代のロマン主義ドラクロワやロダン、風景画家ヨウキントの作品を所有。そちらの作品も余すことなく展示。

下記の作品はのどかな風景というより、空と水面が一体化するように荒々しく美しく描いている。

《オランダのチューリップ畑》

クロード・モネ 《オランダのチューリップ畑》 1886年
 Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



展覧会で一段と注目されていたのは下記の作品。後ろから電燈が入っているのかと見間違うほどオーラを放っていた。

《テュイルリー公園》

クロード・モネ 《テュイルリー公園》 1876年 
Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



晩年筆遣いは劇的にタッチがドラマティックになってゆく。どれが対象物なのかわからないほど荒々しいタッチだ。
しかし、色と色の組み合わせで、訴えかけるものある。けれどやはり一つ一つが繊細で、集中してみるとドロドロとしているが、全体から見ると美しい色の組み合わせだ。

《睡蓮》1917-1919

クロード・モネ 《睡蓮》 1917-19年 
Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



実際観て、感じたことは遠くから見れば、柔らかな穏やかな構図であるが、近くでみるとあえて対照的な色と色を組み合わせ、それの乾いたタッチの盛り上がりなどで躍動的で挑戦的な彼の息吹を感じ取ることができた。これが原画を観る醍醐味なのだろう。

作家モーパッサンはモネのことを「彼は画家というより狩人」と称していた。
絵の標的となった対象物を追い続ける。30歳代から70歳代まで旅を続けた。

クロード・モネの肖像

クロード・モネの肖像(写真) 1903年頃 
Musée Marmottan Monet, Paris © Bridgeman-Giraudon



彼の生き抜いた時代ともに、いつの間にか無条件に心に残る画が見つかることをお約束する。

京都市美術館
<キョウトシビジュツカン>
京都市左京区岡崎円勝寺町124(岡崎公園内)
TEL:075-771-4107
開館時間 AM 9:00〜PM 5:00
(ただし入場はPM 4:30まで)
5月3日(火)より8日(日)までは19:00まで開館
定休日 月曜日(祝日の場合は開館)及び年末年始(12月28日〜1月2日)
アクセス JR・近鉄をご利用の方

JR「京都」駅北側の市バスターミナル、A1乗り場から5系統岩倉行きにて約30分、又はD1乗り場から100系統銀閣寺行き(急行)にて約25分、「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
地下鉄烏丸線「京都」駅より「烏丸御池」駅乗り換え、地下鉄東西線「東山」駅下車徒歩10分
JRにて滋賀県方面から在来線でいらっしゃる場合は、JR「山科」駅にて地下鉄東西線に乗り換え、「東山」駅下車が便利です。
阪急電車をご利用の方

阪急「河原町」駅下車、「四条河原町」バス停から 市バス5系統岩倉行き、又は32系統銀閣寺行き、又は46系統平安神宮行きにて、いずれも約10分、「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
阪急「河原町」駅中央改札を出て、6番出口から地上に上がっていただければ、左手すぐが46系統の止まるバス停です。
京阪電車をご利用の方

京阪「三条」駅下車、「三条京阪前」バス停から 市バス5系統岩倉行きにて約5分、又は京阪「祇園四条」駅下車、「四条京阪前」バス停から 市バス46系統平安神宮行きにて約10分、「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐ
駐車場
大人1600円(1400)高大生1100円(900)小中生600円(400)
()は団体20名以上の団体料金
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この記事を書いた人:

ニッキ
北摂に住んで10年 マラソンをはじめて6年目。 去年は淀川マラソン一昨年は大阪マラソン完走! 万博公園や箕面の滝まで走り体力自慢のアラフィフです!
http://news.archive.citylife-new.com/life/38742.html