
だまし絵といえばエッシャー。名前は知らなくても下記の絵に見覚えの人が多いのでは。
よろしいでしょうか。ずっと水の流れをご覧ください。どこかに分岐点があります。はたしてお分かりになりますでしょうか。

《滝》1961年
作者はマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)。
原画をみると緻密さとその線の美しさがよりわかります。しかもデジタル画ではなく、版画だからでしょうか、目に優しいのです。自然とその線の先を追ってしまいます。どうしてもストーリー性、メッセージを汲み取ろうとする気にさせます。見るたびに背景に意外な発見できるのは彼の作品だけかも。時を経ても尚、魅了させる構図と真逆のコラボレーション。

《椅子に座っている自画像》 1920年
遠くから見ると、不思議な形ですが、近くにいくと一つひとつが違和感なく交わっています。2次元から3次元、裏から面、魚から鳥、重力があるのか下から上、正義か悪か、自分とそれを眺める自分、そしてそれらの反対、パラドックスなのに、パラドックスでない。

《昼と夜》1938年
当時もっとも難しい写真のように描くメゾティント技法の秀逸な作品を遺しています。下記の作品、瞳に映るドクロはなんでしょう。

《眼》 1946年
木版、リトグラフ、エッチングなど版画技法にしても今でも彼はトップランナー。
今回の展覧会では、科学、聖書、風景、人物、広告、技法、反射、錯視と8つの分野に分かれます。彼が最も愛したのは立方体。その線自体に愛情をかけ、宇宙、神、自然など派生していきます。
最も印象に残ったのは、お見せできないのですが「写像球体の自画像」
”世界が上下になっても変わらない核は自我(エゴ)だ。でもそれも愛してやまない”と彼の言葉。その構造は必見。
生まれ育ったイタリアを愛しながら、第2次世界大戦中はファシストに反対し、その地を踏むことはなかった彼。
最後に平和を願った4メートルに及ぶ大作を紹介。

《メタモルフォーゼⅡ》(部分) 1939~40年
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私たちが見ている一辺倒の世界を異次元の空間に誘い、そして”それもあり”と不思議な安堵感を与える作品。20世紀を代表する版画家。彼と一緒に迷宮入りする素晴らしい瞬間をぜひ味わってください。2019年1月14日(月、祝日)まで。
開催日時 | 2018年 11月16日(金) ~ 2019年 01月14日(月) 火~金 10:00~20:00 月土日祝 10:00~18:00 *入館は閉館30分前まで 12月31日(月)、2019年1月1日(火) |
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参加費・入場料 | 当日 一般 1,500円 大学・高校生 1000円 中学・小学生 500円 *障がい者手帳をお持ちの方は、ご本人と付き添い1名様まで当日料金の半額でご覧いただけます。 |
HP | http://www.escher.jp/ |
会場 | あべのハルカス美術館 ≫会場Webサイト |
アクセス | 最寄駅 近鉄「大阪阿部野橋」駅 西改札 JR「天王寺」駅 中央改札 地下鉄御堂筋線「天王寺」駅 西改札 地下鉄谷町線「天王寺」駅 南西/南東改札 阪堺上町線「天王寺駅前」駅 よりすぐ |
お問合せ | 06-4399-9050 |