
千壽庵吉宗大阪店は、吹田警察署近くに大きな路面店を構える老舗菓匠である。「和菓子はなつかしの心のふるさとです。」と、庵主の挨拶にもあるとおり、店内はしっとりした雰囲気とノスタルジーが漂っている。
店内に入ると、お茶とお菓子「みたらしたれうさぎ」が運ばれてきた。もっちりとしたお団子から、関西風たまり醤油のたれがとろり。お茶は普通のお茶ではなく、お店でも販売されている紫蘇の香り豊かな香煎茶である。お茶うけのお菓子は、わらび餅等、日によって変わるので、行くたびに違うお菓子が楽しめる。
かわいいお団子で目も和んだら、まずは、千壽庵吉宗の名物わらび餅コーナーへ。ここのわらび餅は、創設時からの看板商品で、内閣総理大臣賞も受賞している。
わらび餅は弾力と口溶けがその魅力である。きな粉をかける前に、そのままのわらび餅をいただこう。ほのかな、わらびの風味と、上品な甘さが口に広がるのである。
千壽庵吉宗のわらび餅≠要冷蔵。これは、わらび餅の常識を変える。低温で保存をしては、すぐに固くなってしまうのだ。本わらび粉と、本物に極めて近いわらび餅粉を合わせて練り上げた千壽庵吉宗のわらび餅だから、常温保存が適しているのである。
さて、千壽庵吉宗の、もう一つの人気商品は「たこやん」である。パッケージとネーミングから、何やらおもしろい大阪みやげが想像される。
大阪名物たこ焼きの、お饅頭である。
正確には、ソースたこ焼きそっくりの、ミルク風味のお饅頭である。お皿に盛りつけると、本当にたこ焼きに見える完成度の高さに感心。シャレもおみやげ話の一つに、いかが?
「たこやん」誕生の秘話を山本社長に説明していただいた。
「大阪らしい、インパクトのある新商品を考えていて・・・」と、山本社長。「どんどん出来上がってくるお饅頭を、無心に眺めているうちに、イメージが湧いたんです。お饅頭×たこやきの組み合わせは、おもしろいやん・・・!」大阪名物「たこやん」誕生の瞬間である。たこ焼き味の○○○という商品発想では、ない。味も素材も真っ向勝負の正統派、ミルク風味の白あんと、練乳の生地でできた、歴としたお饅頭なのである。「ただ、見た目はたこ焼きやねん。」もれなく大阪人のシャレが付いてくる。
人気商品はまだまだ続く。
こちらはスマイルマークや、メッセージを入れられるどら焼き。

沖縄産黒糖どら焼きも人気である。
懐かしの駄菓子達。 新旧織りなすお菓子の歴史あり、千壽庵吉宗は古くて新しい、大阪のてみやげものやさんである。
最後に、読者の皆様におトク情報「割れたこやん」をご紹介したい。

レジ横にひっそりと並べられている「割れたこやん」を発見した。6個入りで105円とは「おトク」のテンション急上昇である。前回、そして前々回に引き続き、またも自分用にと、購入するしかないのであった。


- 千壽庵吉宗 大阪本店
- <せんじゅあんよしむね おおさかほんてん>
- 大阪府吹田市穂波町13-42
- TEL:06-6384-3981
- HP:http://www.senjyuan-osaka.com/index.html
営業時間 | 営業時間 9:00~19:00 |
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定休日 | 元旦 |
駐車場 | 店舗裏に4台駐車スペースあり。 |
全面禁煙