
毎年4月2日は、国連が定めている「世界自閉症啓発デー」である。それに伴い日本を含む142カ国以上で自閉症理解のためのシンポジウムの開催や有名な観光名所等をシンボルカラーであるブルーにライトアップする活動が行われ自閉症への理解向上を促進する取り組みが行われた。
神戸でも、阪神間の自閉症児の母親らが運営するNPO法人「あっとオーティズム」が企画し、神戸市中央区波止場町の神戸海洋博物館屋上で青い風船約300個を一斉に空高くへ放つバルーンリリースイベントが開催された。
午後6時ごろ、隣に立つ神戸ポートタワーが青色にライトアップされると、集まった参加者たちが一斉に青い風船を空にリリースした。

「自閉症への理解が広まり、違いが受け入れられる社会になりますように・・」みんなの想いをのせて空高く舞い上がる青い風船
自閉症スペクトラムは30人に1人といわれるほど身近な存在。外見からは問題がないように見えても、文章を読み取りにくかったり、話が聞き取りにくいことも多く、また自分の思いを表現することにも困難が伴う。自閉症を患う原因は、親の育て方や子供の性格などの問題ではなく、脳の器質的な障がいだといわれている。いまのところ医療的に治すことはできないが、周囲の人々が自閉症を理解し、少しの配慮や支援で穏やかに生活することが可能だ。自閉症の子供達が生きやすい社会に、そして孤立して悩んでしまいがちな親達を救うため、立ち遅れている社会理解を今後も促進していくことが重要だ。