
再度山ふもとの大竜寺(だいりゅうじ)近くにある善助茶屋跡。
現在は東屋の署名所と「毎日登山発祥の地」としての記念碑だけが存在する。「末永く神戸の誇りである毎日登山の隆盛を祈念する」目的で昭和53年に建てられた。
在りし日の善助茶屋とはどのような茶屋だったのだろうか。毎日登山とはどのような歴史があるのだろうか?
明治38年頃、神戸に在留していた外国人が北野からハンター坂を登って六甲山の山歩きをするようになる。善助茶屋はそうした外国人登山仲間の社交場としてにぎわった。交流の目的で茶屋にサインブックをおき署名するようになる。
記念碑建立の際に編集された「毎日登山発祥の地 善助茶屋」(善助茶屋跡を保存する会)という記念冊子に当時の様子が寄稿されている。

「毎日登山発祥の地 善助茶屋/善助茶屋跡を保存する会」(神戸市文書館架蔵)
外国人が多く通っていた善助茶屋では「タンサン」や「西村屋のブドウパン」「ラスケー」「ユーハイムの洋菓子」が出され、他の茶屋にはないエキゾチックな雰囲気のある茶屋だった。「テラス席で香りたかき紅茶とトーストで朝食」をとったり、太鼓やギターウクレレで歌い踊ることもあったそう。

神戸市背山路図(冊子の巻末にあった地図)にはZensukeーTea-houseの記載がある
やがて神戸市民がそれにならうようになり、毎日登山の会に発展する。大正初期から昭和10年ごろまでが最盛期だったが、戦後登山人口が減少し、この茶屋を訪れる人もなくなり、老朽化により取り壊された。
現在の毎日登山は神戸市民なら誰でも参加でき、回数を集計して神戸市が表彰してくれるというシステム。
「年中無休毎日登山賞」として年間350回以上の登山者に、また累計回数での表彰が500回、1000回、以降1000回毎にある。
この再度山をはじめ六甲山系には11か所の署名所がある。

- 善助茶屋跡
- <ぜんすけちゃやあと>
アクセス | 県庁前駅~再度山のハイキングコース大師道 大竜寺からすぐ(徒歩約1時間30分) |
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