国宝の殿堂 藤田美術館展 曜変天目茶碗と仏教美術のきらめき 奈良国立博物館 6月9日まで


令和となり、この2文字で、歴史の重みを感じる人が多いのでは。形のある美術品もそう。何千年も時を経た逸品は、もとは作者が予測もできなかった瞬時の筆、火によってできたものだろう。(上記の作品は 国宝 曜変天目茶碗(部分) 中国・南宋 藤田美術館)

藤田美術館は大阪市都島区にある美術館で、国宝9件、重要文化財53件を含む所蔵する私設では日本屈指の美術館だ。明治期の実業家藤田傳三郎とその息子平太郎、徳次郎親子が収集した約2000件を所持。現在リュニューアル中で2022年4月開館予定である。

そのリニューアル期間中に国宝級の逸品が奈良国立博物館で展示されている。

今回は博物館に行ってみて、心に残ったものを紹介。
入口近くの素晴らしい色どり。金色と赤と緑の上品な色合い。

重要文化財 交趾大亀香合 中国・明 藤田美術館



そして世界に3つしかない下記の曜変天目茶碗。曜変天目は中国福建省の建窯(けんよう)で焼かれた黒釉の碗、建盞(けんさん)を指す。下記のような光彩は1万回のうち1回とも言われる偶然で起きたもので、今でもその理由は不明。実際に見てみると小宇宙を具現化したよう。ある一点にじっと見るだけで、違う模様が次々と浮かび上がってくる。青、黒でなく緑、赤、虹色が映し出され、何時間でもいたい気持ちになる。

国宝 曜変天目茶碗(部分) 中国・南宋 藤田美術館



教科書でも同じ姿形の像を見た空也上人像を見ると、涙腺が緩くなり、やがてその柔らかな曲線になぜかしら安堵する気持ちになる。
10世紀の日本で、各地を廻り、念仏を唱えることで救われると布教。また彼にすがりついた人々に思いを馳せる。時空を超えた出会いに心の震えが止まらない。

他に下記の地蔵菩薩立像は自分の根幹から見透かされ、やがて暖かい眼差しに気づく。

重要文化財 地蔵菩薩立像(部分)
快慶作 鎌倉時代 藤田美術館



他にも茶具、仏像、仏画など128件を展示。いつもでも書きたい気持ちもあるがサイトの制限上ここまで。奈良国立博物館必見なり。

国宝 玄奘三蔵絵 巻第三(部分) 鎌倉時代 藤田美術館 展示は5月14日から

開催日時 2019年 04月13日(土) ~ 2019年 06月09日(日)
午前9時30分~午後5時
※毎週金曜日は午後7時まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日
参加費・入場料 一般 高校・大学生 小・中学生
当日 1,500円 1,000円 500円

※ 障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料です。
※ この料金で、名品展(なら仏像館・青銅器館)もご覧になれます。
HP https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special.html
会場  ≫会場Webサイト
お問合せ TEL:ハローダイヤル
    050-5542-8600

この記事を書いた人:

ニッキ
北摂に住んで10年 マラソンをはじめて6年目。 去年は淀川マラソン一昨年は大阪マラソン完走! 万博公園や箕面の滝まで走り体力自慢のアラフィフです!
http://news.archive.citylife-new.com/news/72212.html