
2015年9月12日からの秋季展に先立ち、白鶴美術館で内覧会が行われたので参加させていただいた。
<秋季展 詳細のご案内記事はこちら>
1934年に開館した本館は、建物そのものが既に芸術的。ロビーから重厚な本館が望める。ところどころに美術館の象徴である鶴の意匠があしらわれており、見つけながら歩き、その空間と今回のテーマである神獣と合わせて鑑賞できるところも素敵だ。

渡り廊下の照明

釘隠しにも飛鶴の細工

2階の書斎テーブルにも

2階天井には飛鶴と唐草文様
重要文化財7点を含めた美術品約50点が展示され、2階は貴賓室に置かれていたテーブルを真ん中に配し、なんだか落ち着く空間に。

ベンチや書斎テーブルでくつろぐこともできるそう。
トップ画像は中国西周時代の「鳥形卣(とりがたゆう)」(河南省)。
写真ではわかりづらいが後頭部に蓋がついており、ちいさな柄杓などで酒をくみ出すようにして使うそう。ガラスケースに入っていて周りをぐるりと鑑賞できるので是非見てみてほしい。ちなみにこの酒器を作らせた方がどういった地位の方だったのか、蓋の裏にそのヒントになる文字が記されている。

「象頭兕觥(ぞうとうじこう)」(中国 殷時代/河南省)
神獣の一種とされていた象の形が基本となっている。中国より西のインドあたりから象が連れてこられるなど、行き来があったこともうかがえる。表面には龍や虎、ウサギなどが所狭しと細かく描かれているので探してみては?

神事に使われた酒器で吊り手は双頭の龍を形どっている。胴部の羊のような動物の目は八方にらみをしていて、大切なお酒をしっかり守っている。
ご紹介はほんの一部で、他にもたくさんの酒器が展示されている。
中には旅などに持ち歩く用途で作られているものもあった。中のお酒がこぼれないよう蓋がしっかりと閉まる工夫がされており、さらにひもで固定できるよう穴が開いていた。
また、密閉できる蓋をもつものもあったようで、香りのあるお酒を入れていたのではないかと推測されている。当時のお酒とはいったいどんなものだったのだろうか。
是非その時代のことを想像しながら一つ一つ観ていただきたい。
開催日時 | 2015年 09月12日(土) ~ 2015年 12月06日(日) 10:00~16:30(入館は16:00まで) 月曜休館 但し9/21(祝・月)、10/12(祝・月)、11/23(祝・月)は開館 9/24(木)、10/13(火)、11/24(火)を休館 |
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参加費・入場料 | 大人:800円 65歳以上・大学・高校生:500円 中・小学生:250円 (団体20名以上は2割引) |
HP | http://www.hakutsuru-museum.org/ |
会場 | 白鶴美術館 (神戸市東灘区住吉山手6-1-1) |
アクセス | ・阪神御影駅、JR住吉駅から市バス38系統 渦森台行 「白鶴美術館前」下車 ・阪急御影駅から北東に徒歩約15分 ・車で (大阪方面から)阪神高速3号神戸線 魚崎出口から1.5km (姫路・明石方面から)阪神高速3号神戸線 摩耶出口から6km |
お問合せ | 公益財団法人 白鶴美術館 TEL/FAX:078-851-6001 |
無料駐車場あり(大型バスも可)