伝説の洋画家たち 二科100年展 @大阪市立美術館


日本三大公募展のひとつ「二科展」は、今年2015年に第100回を迎えます。
これを記念して、現在、大阪市天王寺区の天王寺公園内にある大阪市立美術館で
11月1日(日)まで『伝説の洋画家たち 二科100年展』が好評開催中!

“二科展”について少し説明させて頂きます。
1913年(大正2年)総勢19名の画家たちが高砂屋(現在の東京・銀座
4丁目付近)に集まり、文展(文部省芸術展覧会)日本画部と同様、洋画部にも
新旧の画風に従い二科制設置を求める事を決議…これが二科分設運動の始まりだそう。

「二科展」は当初、審査を行わない主義として有望な若手輩出につながっていき
現在に至っております。

ナビは画家の一面もある石坂浩二さん

ナビは画家の一面も!石坂浩二さん



今展覧会では、第1章から4章の構成になっています。

◇第1章 草創期 1914~1919年
まず、会場の足を一歩踏み入れると、皆さまをお出迎えされる作品が、有島生馬《鬼》。
有島生馬自身、二科設置運動首謀者(鑑査委員)の一人。
この作品は“第1回”という事を強く意識して制作されたようです。
兄の有島武郎らと『白樺』を創刊して文筆活動、また日本に初めて〝セザンヌを紹介〟
するなど多方面にわたり活躍されました。この《鬼》をじっくり鑑賞されてから次の作品へ
お進みください。

特別出品・梅原龍三郎《読書》は、ルノワールから学んだ柔らかい筆触で力強い
男性的な色彩と造形があわさった作品は注目して頂きたいと思います。
ご自身のお子さんを描いた〝麗子像〟がとくに有名な岸田劉生は《初夏の小路》
《静物(湯呑と茶碗と林檎3つ)》の2作品が油絵で描かれて出展されていますが
もう1作品、ブロンズ像《男の首(柏木氏の像)》が、二科展に初めて出品された
彫刻作品です。岸田劉生は生涯2点しか創作活動していないようですが、
その内の1つが今回登場!必見です!!

◇第2章 揺籃期 1920~1933年
ここでは、海外の作品にふれる機会が増えてきたころで「新傾向の絵画を紹介」
「二科会から離れゆく人々」に分かれて展示されています。
K・ジェレニェウスキー《春》は1918年に来日した際に有島の知恵を得て
第7回展に初出展。その後、渡欧してからも律儀に出展されていたようです。
「二科会から離れゆく人々」では、東郷青児《超現実派の散歩》は今でいう
放送禁止用語、、、のような表現をしていたので、制作当時に修正をかけて
了承を貰い出品した作品になっています。美術学校を受験したが受からず、独学で
絵画を学んだ児島善三郎の作品などもあるので見て下さいね。
中でもじっくり見て頂きたいのは長谷川利行《酒売場》生涯不明な点が多く
流浪の生活を続けながら表現主義的作品を描いた無頼の画家。
1940年に路上で倒れ没した際に、終生大事に持ち歩いていたスケッチブックを
含む全所持品が規制で処分されたと記されてあり、規制に反しても作品などを
まもれなかったのか?作品が残らず残念な事になったな…と思いました。
貴重な作品は必見です。

◇第3章 発展、そして解散 1934~1944年
この頃は、美術界の戦争の影が忍び寄ってきた時代。
前衛表現は一掃され画材の配給制度もあり、色々規制されたようです。
笠置季男《若人よ空へ征け》は時代を反映している軍人をセメントで造形された
作品をはじめ、藤田嗣治《メキシコに於けるマドレーヌ》は付き合っていた
彼女がモデルになっているのですが、描いたのは彼女と別れてから描き上げた
作品だとか。優しい色遣いを見て彼女に対する想いを感じる作品です。

◇第4章 再興期 1945~2015年
終戦後、直ぐに東郷青児と高岡徳太郎によって、再建話がスタート。
1946(昭和21)年5月「春季展」、秋に再興となる31回展がスタート。
私の大好きな岡本太郎の作品が今展では《重工業》《裂けた顔》の2作品展示
されています。《重工業》は出品作品の中で1番大きい作品だと学芸員の方が
教えて下さいましたが、迫力ある作品の前で対峙して頂きたいと思います。

岡本太郎大好き!の私KONは少し勉強不足でした。
モダニズムを大作主義が目立つように、岡本太郎作風の前衛的でご本人曰く
❝芸術はバクハツだ!❞という名言があるように過剰をも恐れない積極的な
姿勢の岡本太郎とイメージの中にあった「お堅い印象の二科展」と無縁に
勝手に思ってしまっていましたが、第28回展において二科賞獲得、戦後
1947年に二科会会員に挙げられて活動(1961年退会)していたようです。
‘心の中の真の姿を表現’した岡本太郎作品を受け止めて頂きたいな…と思います。

日本を代表する画家・彫刻家の代表作が揃い、また巨匠たちの画壇デビュー作も
出展!そして全て二科展出品作!!!
戦争による焼失、行方不明などにより出品作を探し出す作業は困難を極めた様
ですが貴重な作品ばかり。是非、皆さんご自身が美術館で作品を見て、心に触れて
感じとってほしいと思います。

貴重な作品ばかり!堪能してね!

貴重な作品ばかり!堪能してね!



【関連イベント】
◎記念講演会 会場:美術館1階講演会室 定員:各150名(先着順受付)
聴講は無料ですが本展の当日鑑賞券要。 時間:何れも13:30~15:00
▽9月27日(日)「二科会彫刻部」
▽10月11日(日)「二科会絵画部」
▽10月17日(土)「二科・大阪・楢重」
◎見どころトーク 学芸員の皆さんが見どころをわかり易く解説されます。
10月3日(土)10日(土)24日(土) 各日13:30~14:00
◎子供向けワークショップ 10月18日(日) 詳細はホームページで案内
イベントについては随時公式サイトに掲載しています

ご応募お待ちしています!

ご応募お待ちしています!



☆読者プレゼント☆
読者プレゼントとして好評開催中の
『伝説の洋画家たち 二科100年展』の入場券を5組10名様に!!
応募フォームはこちらまで ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
  http://present.citylife-new.com/e8190.html 締切:10/4(日)必着

皆さまのご応募お待ちしております。当選者は発送をもってかえさせて頂きます。

車椅子の方も安心してどうぞ

車椅子の方も安心してどうぞ



館内なモダンな造りです

館内なモダンな造りです

開催日時 2015年 09月12日(土) ~ 2015年 11月01日(日)
【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は閉館の30分前まで)
参加費・入場料 一般1300円 高大生900円
◎中学生以下、障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料《生徒手帳など要証明》
※本展は大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要です。
HP http://www.nika100th.com
会場 大阪市立美術館 大阪市天王寺区茶臼山1-82 天王寺公園内 ≫会場Webサイト
アクセス JR・地下鉄「天王寺駅」下車、北西へ約400m
お問合せ 大阪市総合コールセンター 06-4301-7285
(年中無休 午前8時~午後9時)
関連地図

この記事を書いた人:

KON
宝塚で生まれ育ち、現在は箕面市在住。 この2市でしか生活をしていませんが、北摂・京阪神地区を 駆けまわっていますので、ひとつでも多くの情報をUPして いきます。 イベント&スポーツ情報にグルメの事なら、おまかせあれ!!!
http://news.archive.citylife-new.com/play/event/28153.html