
開館3周年の記念展となる「横尾忠則 続・Y字路」。
2000年以降の横尾忠則の絵画作品を代表する「Y字路」は、ふるさとの
兵庫県西脇市を訪ねた時に撮影された1枚の写真からはじまりました。
少年時代に通った模型店が無くなったことを知って、その跡地をカメラに収めた
横尾さん。現像された写真には懐かしい風景はもうなく、夜の闇の中にフラッシュに
浮かび上がる建物、その手前で二又に分かれる道、、、郷愁から切り離された風景が
横尾さんの制作姿勢を大きく変えることになったとか。
作品【暗夜光路 N市-Ⅰ】から、じっくりご覧ください。

横尾さんの故郷に対する想いが…
横尾さんは、その写真を忠実にキャンパスに写し取り、一切の「私」的な要素を
排除した普遍的な絵画を試みられました。
2つの消失点をもつ左右対称の構図は、以後「Y字路」シリーズとして定着。
今回の展覧会では、2006年以降の「Y字路」作品を中心に、約70点が
展示されています。

ゆっくり、じっくり鑑賞して下さい
私がお伺いした日は〝イブニング・ギャラリツアー〟開催日。
午後6時(18時~)に横尾忠則現代美術館の学芸員さんのガイドでいろんな
お話を聞きながら作品をみました。
学芸員の方がお話されるエピソードはどれも貴重なものばかり。
私は、話を聞きながら頭の右側に横尾さんの顔を浮かべながら、そして眼差しは
横尾さんの作品に集中して堪能しました。

多くの方が参加されました
横尾さんの作品は、どれも魂が刻み込まれたモノばかりと感じます。

モニターで横尾さんの制作姿も!

何度も見返してパワーを貰います
私がオススメしたいのは全部!!!ですが、その中から日本各地の温泉地を描かれた
作品をピックアップしますので、その温泉地へ行かれた方は現地を思い出しながら
見てほしいと思います。
「下田幻想」「夢千代日記」「怪人二十面相道後に現る」など、特に要チェック!
特に、美の盗賊「怪人二十面相」が盗もうとしているのは、マグリットの作品?と
思うのですが…作品の中にはナゾが隠されているので、じっくり見ればナゾが次第に
姿をあらわすはず。是非、ご自身で確かめてみてください。

3階は「黒いY字路」が!
3階の展示室Bでは、作品「黒いY字路」「夜」ほか、夜景が描かれた作品があります。
〝見えないものを見えるように引き出す顕在能力が絵画のチカラだと考えて
きたけれど、逆に見えるものを見えないようにすることが出来ないだろうかと
考えはじめた〟と横尾さん自身のメッセージがあります。

横尾さんの想いを感じながらどうぞ!
各地のY字路、その時の想いが融合し、何度も同じ風景を繰り返し使って
違うものにしていく、Yのカタチの中にいろんなものを詰め込んだ作品が
展示されているので、会期は残り1週間を切りました。是非、横尾忠則現代美術館へ!!!
開催日時 | 2015年 08月08日(土) ~ 2015年 11月23日(月) 10:00~18:00 ※金・土曜日は10:00~20:00 ◎入場は閉館の30分前まで |
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参加費・入場料 | 一般700円 大学生550円 高校生・65歳以上350円 中学生以下無料 |
HP | http://www.ytmoca.jp |
会場 | 横尾忠則現代美術館:神戸市灘区原田通3-8-30 |
アクセス | 阪急電車「王子公園駅」西口より徒歩約6分 JR「灘駅」北口より北へ徒歩約10分 阪神電車「岩屋駅」より北へ徒歩約12分 |
お問合せ | 総合案内 078-855-5607 |