兵庫県政150周年記念事業 開館5周年記念展  横尾忠則の冥土旅行


「人は死んだらどこに行く?」という疑問は子どもの頃に抱いた疑問??
いえいえ大人になってからも、このように疑問を持たれている方もいらっしゃるのでは?

横尾忠則現代美術館では、このあと夕方6時まで企画展が開催されています。
これから現地へ向かわれても間に合いますよ!!!!!


横尾忠則さんご自身が「人間は死んだらどこに行く?」と考えられて
「死のむこう側には何があるの?」という思いを、いま生きているからこそ
描くことができるということで表現されている作品を展示されています。

今回の企画展のタイトルが『冥土旅行』になっていますが、
あの世への旅行・・・生きている人が死後の世界へ旅して戻って来る・・・
横尾さんが死をご自身の重要なテーマとして位置付けて、様々なイメージを
作品にされて、グラフィックデザイナー時代から現在に至るまでの一貫して
関心をもち続けられている「死後の世界」を作品をとおしてご覧頂きたいと思います。


横尾忠則さんならではのアイデアがグッと詰まっています!!!




私が10歳の時に描かれた作品。描かれた年代を見乍ら鑑賞できるのも嬉しい!



↑ ↑ ↑ “赤”の絵画シリーズでは、横尾さんが子供の頃に見た、空襲で真っ赤に染まった
夜空を原風景としつつ、此岸と彼岸、日常と異界とが画面を覆う赤い色彩によって結び
ついて、鑑賞する側の意識を「向こう側」へといざなっていかれるような・・・。

赤…死と共に生を案じる、生と死は表裏一体、また生(産)まれてくる赤ちゃんの「生」も
表現されています。
兵庫県西脇市について、横尾さん自身がお話された中に、
“生まれた場所であり帰っていく場所”と言われていました。
この赤の絵画シリーズでは、横尾さんが幼少の頃に影響されたことが描かれているので
作品をご覧になって体感していただきたいと思います。


↑ ↑ ↑ 横尾さんの愛読書のひとつ、ダンテの『神曲』は、主人公のダンテが
生きながらにしてあの世へと迷い込み、地獄、煉獄、天国をめぐるという
❛冥土旅行❜の物語です。
横尾さんが1970年、雑誌・平凡パンチの企画で撮影した19人の女性たちの
集団ヌード写真では、森や湖、建設中の山荘、砂利道、富士山麓などを舞台に
繰り広げられるさまざまな場面の中に、この『神曲』のイメージが重ねられました。
ココは八角型になっていて、外壁と中身の入れる横尾さんの世界を感じとれる空間です。
楽園的なイメージのものを選ばれています。


1980年代、横尾さんは人物のうしろすがたをモチーフとする作品を多く手掛けられ
ました。当時、素人(一般の方)を対象とした絵画教室で、生徒さんたちが描いた
多くのうしろ姿に衝撃を受けた横尾さんが、顔の無いポートレートというべき、
非人格性と抽象性に惹かれて、繰り返しこのモチーフに取組まれました。

横尾さんの作品は、ずいぶん前の年代の作品を鑑賞することも、そしてココ数年に
描かれた作品が同時に鑑賞できるのも嬉しいんです。

2017年!そうです、昨年ですね!!その昨年から今年にかけて、横尾さんは
女性のポートレートを描いた絵画シリーズを制作されています。
描かれた女性像の多くは、横尾さんのふるさと・西脇市の特産品である播州織の
輸出用の反物に貼る為の商標ラベルの絵柄から引用されていて、横尾さんの
お父様が呉服商を営んでおられたので、そのラベルは見慣れた親しいものだった
らしいのですが、その女性たちの顔は、横尾さんの作品では、キャベツや本、
トイレットペーパー(これは面白いっ!!!)など、身のまわりにあるモノで
覆い隠されていて、クチがその作品として見ている者に語られているような・・・。

新しい作品が並んでいるのも、横尾さんならでは!!!なのですが、
このあと、海外に行ってしまうので是非、鑑賞してほしいと思います。

手前(白い箇所)は椅子になっています。ゆっくり鑑賞できます!



椅子に座って、一対一で対峙して作品とむかいあい瞑想することも出来ます!
横尾さんワールドに是非、浸ってほしいと思います。

横尾さんは、「故郷は最も重要な源泉であります。かえっていくべき故郷」
「死のエネルギーを生にかえる」とおっしゃっていました。

今企画展で、みなさんの死後の世界、、、感じたことで変わるかも!?
初公開されている作品が多くご覧頂けますので、是非ともお見逃しなく!!

◇次回企画展◇
2018年5月26日(土)から 【横尾忠則 画家の肖像】

開催日時 2018年 02月24日(土) ~ 2018年 05月06日(日)
10:00~18:00 ※入館は閉館30分前の17:30
参加費・入場料 一般700円  大学生550円  70歳以上350円  高校生以下無料
HP http://www.ytmoca.jp/
会場 横尾忠則現代美術館  神戸市灘区原田通3丁目8-30
アクセス 阪急電鉄「王子公園駅」より徒歩約6分  JR「灘駅」より徒歩約10分  阪神電車「岩屋駅」より徒歩約12分
お問合せ 総合案内 078-855-5607
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この記事を書いた人:

KON
宝塚で生まれ育ち、現在は箕面市在住。 この2市でしか生活をしていませんが、北摂・京阪神地区を 駆けまわっていますので、ひとつでも多くの情報をUPして いきます。 イベント&スポーツ情報にグルメの事なら、おまかせあれ!!!
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