
大阪大学理学研究科で宇宙や月の研究を行っている寺田健太郎教授は、講演会やセミナーなどで、子ども向けに宇宙や月の話をする機会が多いという。「うれしいことに子どもたちは目をキラキラさせて、熱心に聞いてくれています。その会場でよく尋ねられていたのが、〝子ども向けの月の本は無いのですか?〟ということでした」。そこで、寺田先生は大阪大学出版会に相談し、イラストレーターの乾さんとの出会いをきっかけに制作をスタート。昨年12月にこの『ねぇねぇはかせ、月のうさぎは何さいなの?』を上梓した。「月に関する絵本や図鑑はいっぱいありますが、この本は月の石の年齢を調べるにあたって、私たち研究者が石を削ってオーブンで焼いて、また削ってそれを観察しているといった試行錯誤している様子も解説しています。この本のなかでやっていることは主に『数える』ことだけ。お子さんにもわかりやすい内容になっています」と寺田先生。
考えるプロセスや、こう考えていくと突き詰めていけるんだよということを伝えるのは、現場の研究者であるべき、と話す寺田先生。お子さんが宇宙や月に興味があるなら、ぜひ手にとっていただきたい1冊だ。
寺田健太郎 作/乾摩耶子 絵
A4変判 32ページ 上製
定価1,700円+税
初版発行年月 : 2018年12月
出版元 : 大阪大学出版会