ふるさと納税の 法規制が6月からスタート


 ふるさと納税制度は、任意の自治体に寄付をすると、寄付金額から2,000円を超える額を所得税と住民税から控除され、寄付者の税負担が軽くなるというもの。さらに返礼品が獲得できるとして人気を集めてきた。しかし、2019年度税制改正大綱で「ふるさと納税」の新たな規制ルールが設けられた。

 制度開始から約10年を迎えるふるさと納税制度。自分の生まれ育った自治体や応援したい自治体に寄付ができ、寄付金額は税金から控除・還付されるため、自己負担が軽減される。さらに魅力あふれる特産品などの返礼品が受けられるとあって、この制度の利用者は年々増加をみせている。
 一方で加熱する返礼品競争やトラブルが問題になり、自治体間による”寄付争奪戦”に歯止めをかける目的で、今年の6月に制度が改正となる。新たな規制ルールは「返礼品の額は寄付額の3割以下」、「返礼品は地場産品に限る」というもので、この基準を満たさない自治体に寄付をしても税金控除の対象とならない。
 また、市内在住者への返礼品も送付できなくなる。さらに大都市圏の自治体ではふるさと納税で控除される住民税による税収減が問題となっている。

【ふるさと納税のあり方を考えるきっかけに
神戸市では8つのテーマから寄付内容が選べる】

 神戸市では、ふるさと納税での控除による昨年度の税収減が約30億円に及んでいる。その状況を改善しようと、市では昨年4月に「ふるさと納税庁内推進チーム」を立ち上げた。「神戸のふるさと納税」というサイトを設け、寄付金の使い道とその実績が利用者に見える形にした。「生命」「地域密着」「自然・環境」「人材輩出」「安全・安心」「動物」「文化・スポーツ」「子ども・学校」の8つのテーマに分類され、約35種類の取り組みが掲載され、寄付金の用途を明確に記した。
 今年4月には、新たに加わった取り組みがある。暴力団事務所撤去の際の訴訟費用を募るものだ。公益財団法人暴力団追放兵庫県民センターと協力・連携し、神戸市内における暴力団事務所使用差止請求に必要な費用に使用される。この寄付によって市民の力による暴力団排除活動を強化し、暴力団事務所がない安全で安心なまち神戸を目指すという。
 居住する自治体への寄付は、返礼品こそ受け取れない(神戸市では5月8日から)が、より身近な取り組みに貢献できる良さがある。例えば、神戸マラソンに参加
しているなら、「神戸マラソン開催を応援」に、登山を趣味としているなら、六甲山の森づくりに関する寄付という具合だ。また市外からの寄付の返礼品に関しても特産物だけでなく、「神戸マラソン出走権」や「有馬温泉宿泊券」といった、来神を促し、町の活性化につながるものを提示している。

【「あしやふるさと寄附」では子育て支援や無電柱化に活用】
 芦屋市でも、取り組みに対して広く理解を促し、応援してもらおうと、昨年11月より、内容、趣旨、設定した目標額に対する進捗状況、達成状況などを随時、情報発信している。広報誌の臨時号として発行したほか、市のwebサイトでも掲載。取り組み内容の一例としては、2021年に開園予定の「(仮称)市立西蔵認定こども園」(芦屋市西蔵町)への大型遊具の設置や、子どもの急な発熱でも仕事を休まず預けることができる「市立精道認定こども園」(2021年芦屋市精道町に移転予定)での病児・病後児保育の実施がある。市立のこども園内での病児・病後児保育の実施は県内でも先駆的だ。また芦屋市のおいしい学校給食といえば、市が出版したレシピ本が増刷されるほどの人気だったが、芦屋出身の白羽弥仁監督によって映画化されることになり(2020年秋に劇場公開予定)、支援を募っている。その他芦屋市が全国に先駆けて進めている「無電柱化」など、約20種の取り組みがある。

【西宮市は10事業から選べる】
 西宮市では寄付金の使い道として、現在10事業から選択することができる。その一つが「図書館の資料収集や設備の整備など」にかかる事業。寄付者からは、「いつも子どもの読み聞かせでお世話になっています。様々なジャンルの大量の絵本を毎日読み続けたおかげで長時間集中していられるようになりました」といった声も寄せられ
ている。また鉄道駅を有しない山口地域から、南部市域へ直接連絡する唯一の交通機関として活躍する「さくらやまなみバスを継続的に運行するための事業」というのもある。同バスは、通勤通学といった生活上の交通手段としてだけでなく、山口町や西宮南部の観光にも利用できる。さくらやまなみバス利用促進協議会では観光用の山口町「ぶらあるきマップ」や「西宮南部探訪ツアー」といったツールも作成し、魅力を発信している。


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阪神版
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